成果主義のIT業界でうつ病などの精神障害を患うエンジニアもいます。軽症の内に治療を始めれば、悪化することは防げて仕事を続けることが可能ですが、受診の機会がなく重症になり、退職に追い込まれる人もゼロではありません。退職後、時間をかけてうつ病を緩和させれば復職も可能ですが、再び会社勤めをするのに抵抗を感じる場合は、独立するのも1つの方法です。
理想は無理のないペースで仕事ができること。そのため今まで以上に自己管理が鍵を握ります。それにはタスク管理だけでなく健康管理も含まれていることを忘れてはなりません。フリーランスになると仕事をした分だけ収入を得ます。そのため頑張れば頑張っただけ高収入を目指せるのです。しかし逆を言えば仕事をしなければ収入はありません。病気や怪我などで働けなくなった場合、収入がゼロになってしまう可能性があるため、健康を害さないように対策を取ることが大切です。
また会社勤めのときは多くの場合、社会保険に加入していたはずです。そのため自分で何かをするということはあまりなかったでしょう。しかし、フリーランスになれば、自分で国民健康保険に加入しなければいけません。国民健康保険は医療費の自己負担額を抑えることはできますが、病気などで仕事ができない状態になっても、傷病手当金は下りない点には注意が必要です。自分が働けなくなってしまったときに備え、その時期の収入を保障してくれる保険に入ると安心できるでしょう。
保険の種類は所得補償保険と収入保障保険の2種類で、内容は異なります。所得補償保険は、病気や怪我などの影響により収入が減ってしまったときに役立つ保険です。カバーされる金額は、税込年収の最大60%ほど、補償期間は1~5年です。一方、収入保障保険は死亡した際や高度障害を負った際に、残された家族に保険金が下りる保険となります。近年は就業不能保険といった保険も販売されていますが、基本的に収入保障保険と同義です。